溶接電極の話③

業務日記

最近少しずつ日が長くなってきました。まだ時期的に雪の降る日はあると思いますが、ここにきて雪の勢いも若干弱まってきたように感じられ、春が近づいてきていることを感じます。ですが暖かい日があったり寒い日があったりとまだ気温の差が大きいこの頃、皆さん体調には気を付けてお過ごしください。

抵抗溶接が難しい材質として銅と銅の溶接があります。銅自体の熱伝導性が良い為、溶接箇所の熱が逃げやすいことが抵抗溶接を難しくしている要因ですが、銅の溶接を可能にする方法の一つが溶接電極の工夫です。前回、前々回の雑記でも溶接電極の話に触れましたが、銅系統の材質の抵抗溶接にはタングステンやモリブデンのように導電率の低い(材料の持つ抵抗値が高い)材質を用います。銅の溶接では、被溶接物の形状にもよりますが比較的長い時間、大きな電流を流す必要があります。よって、溶接電極にかかる熱的な負荷も大きくなります。タングステンやモリブデンはクロム銅などの銅系統の材質よりも硬度が高いので耐久性も良く、導電率も低いので同じ電流値でも効果的に溶接箇所を発熱させることが出来ます。

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