私は2025年7月25日の21時ごろに自宅前の畑で熊に遭遇しました。
自宅は田舎ではあるものの山からは多少距離があるので自宅の前に熊が来ることはないだろうと高を括くっていたのが敗因です。たまたま今年はその畑にトウモロコシがとてもおいしく出来ておりそれを熊が食べていたところにばったり遭遇しました。
「熊に出会ったら、目を合わせてゆっくり後ずさりをしろ」と言う事は知識では知ってはいましたが、真っ暗な場所で熊にあったら…全く実践出来ず、大声を出して自宅玄関まで5mの距離を全力で逃げました。しかし、さすがに熊のスピードからは逃れられず、自宅玄関前で左足を引っ掛かれ転倒したところ、熊が私の頭を狙って噛みつこうと向かって来て齧り付きそうになった瞬間に奇跡が起きました。玄関の雨樋からぶら下がっている鎖樋に熊がぶつかり、鎖樋が熊に落ちてきたのです。びっくりした熊は一旦後ろに下がっていきました。そのお陰で頭から多少出血はありましたが軽傷で済みました。しかし、熊も食事を邪魔されたので頭に来ていたのか、また襲い掛かってきました。その時は何も邪魔するものもないので私に一直線に向かって来ました。何も持っていなかった私は熊の攻撃を避ける為、手を出したところ左手をガブリと齧られました。大声を出して自宅前に来て熊と争っていることに気が付いた、嫁さんと息子が玄関の網戸越しに大声で叫んでいたのに熊が気付き逃げていきました。
熊と格闘している時はアドレナリンが出ていたと思われ、痛みなど全く感じませんでした。熊が去ってから、左手の薬指が変な方向を向いていたのと血が出ていたのを見て、自分でも驚きました。その時に履いていたハーフパンツは引っ掛かれてボロボロでした。幸い左手の薬指の骨折と中指の脱臼と足に2か所の傷と背中に3本爪の跡が残りましたが、感染症もなく2週間の入院で済んだのは不幸中の幸いかと思います。
入院初期はお風呂にも入れず、頭が熊の野生の臭いがついていたのがつらかったのと、手術後に一般病棟に入ってからPCを持ってきてもらったので多少操作に難はあったもののほぼ通常通りに仕事が出来てしまったのが思い出されます。また、病院での規則正しい生活と、栄養の管理されたアルコール(暴飲暴食)のない食事で健康で少しだけ細くなった体も、退院後すぐアルコール摂取で元通りになったのは言うまでもありません。
退院後は順調に推移していると思っていましたが、骨折した指の骨がずれてくっ付いていると言う事で現在はまだギブス装着となり不自由になっています。 毎日のように熊のニュースが報道されていますが、最近は人を怖がらない熊が増えていて、市街地にも出没しています。私のようにならないように、皆さんも本当に気を付けてください。【ふ】


